臨床心理学専攻 教員紹介



【基礎心理学】  川人 潤子  准教授【基礎心理学】  川人 潤子 准教授

〈専門分野〉  臨床心理学・健康心理学

☆大学院を志すかたへ

大学院では、学部での学びをベースに、より専門的に心理臨床実践と研究について学びます。私は、面接技法演習や臨床心理実習Ⅱのような実習・演習科目、さらに心の健康教育に関する理論と実践のような講義・演習科目を担当します。また、臨床心理学研究法特論・課題研究では、心理学に関する研究を実施し、修士論文を執筆します。
私の専門領域は、健康心理学や臨床心理学ですので、以下のようなテーマで研究を進めています。

・抑うつや肥満に関する心理的基礎研究
・抑うつ予防やうつ病再発防止のための心理的実践研究
・肥満改善のための心理的実践研究
・神経性食欲不振症傾向に関する心理的ストレス研究      など

臨床実践と研究は両輪です。基礎的知見を実践に活用し、社会に役立てるような心理学的アプローチ方法を一緒に模索してみませんか。



【発達臨床心理学】  林 智一 教授【発達臨床心理学】  林 智一 教授
〈専門分野〉  心理臨床学、高齢者心理学、生涯発達心理学

☆大学院を志すかたへ

臨床心理士や公認心理師は、単位を修得して試験に合格すれば取得できる“資格”のひとつです。ただ、“ほんとうの意味での心理臨床家”とは、なりたいと希望すれば誰でもなれる、一定の努力さえすれば必ずなれる、というような性質のものではないように感じている私(の中のある一面)もまたあるということを、まずは率直に、誠実に、告白しておかねばなりません。
耳あたりの良い惹句を並べて、できるだけたくさんの受験者を募ったほうが(教員の職務としては、そしてこの文章の趣旨としては)良いのかもしれません。でも、私にはそれができません。

心理臨床家とはなんだろうか…。私自身、偉そうな“正解”を持っているわけではありません。答えの出ない問いを抱えて、悩みながら、なんとか日々を生きているだけです。
ですが、もし、こんな奇妙で、青くさい問いかけが少しでも気になったとしたら…あなたも、ここで、一緒に、臨床心理学を学んでみませんか?



【社会・集団心理学】  野口 修司  准教授【社会・集団心理学】  野口 修司 准教授
〈専門分野〉  臨床心理学、家族心理学、産業心理学

☆大学院を志すかたへ

臨床心理学は心理学の理論を用いて人の支援に役立てるという大変興味深くやりがいのある学問です。その一方で、人の人生に大きな影響を与えうるとても責任の伴う学問でもあります。大学院(修士課程)に進学する方は2年間でプロフェッショナルとなるための知識と技術を身につけなければなりません。それは当然ながら楽なことではないでしょう。しかし、楽しみながら学んでいくことはできます。同じ道を目指す同期・先輩・後輩といった仲間や私たち教員と一緒に2年間でプロフェッショナルとして自信を持って修了していけるように、適度なプレッシャーと責任感を持ちながら楽しく学んでいきましょう。



【心理アセスメント学】  橋本 忠行 教授【心理アセスメント学】  橋本 忠行 教授
〈専門分野〉 臨床心理学、協働的/治療的アセスメント、人間性心理学

☆大学院を志すかたへ

公認心理師や臨床心理士として、あらゆる人のこころの健康と成長を支援することを志すみなさんとともに学び、臨床に携わり、研究を進めていけることは大きな喜びです。わたし自身も「協働的/治療的アセスメントに関する実践的な研究を重ね、日本においても心理アセスメントをもっとヒューマニスティックなものにしたい」という気持ちを持ち続けています(詳細はPDFファイルかがアド第26号 研究者紹介(15-16ページ)(PDF:2525KB)」をご覧ください。)。

心理アセスメント・心理検査は一人ひとりの違いを理解し、その人にあった支援をともに考えるための方法です。医療・教育・福祉・司法・産業など幅広い分野で実践されています。
研究室では、①パーソナリティ検査、知能検査、症状評価尺度、神経心理学的検査、描画法などの臨床的活用、②心理アセスメント結果についての話し合い、③心理アセスメントにおけるナラティヴ・アプローチ、④それらについての質的・数量的効果研究、などに焦点を当てています。ぜひ扉を叩いてみてください。



【臨床心理面接学】  太田 美里 講師 【臨床心理面接学】  太田 美里 講師
〈専門分野〉  臨床心理学、トラウマ、被害者支援

☆大学院を志すかたへ

香川大学大学院の臨床心理学専攻では、教員一人あたりの担当学生数が少ないため、学生の皆さんはきめ細かな指導を受けることができます。特に、私は臨床心理面接に関わる講義・演習・実習を担当しておりますので、ロールプレイなどを通して、皆さん自身がこころを動かしながら体験的に学びを深めていけるような指導を行っていきたいと考えています。

また、近年では、これまで考えられてきた以上に、クライエントが抱える様々な心理的困難の背景に「トラウマ」があることが明らかになっています。トラウマの知識は、心理職が携わる5つの職務領域(医療・教育・司法・福祉・産業)のいずれにも必要な横断的テーマであることが指摘されているため、大学院ではトラウマの基礎的知識やケアの方法についても指導していきます。ただし、心理臨床を続けていく上では、心理職を目指す皆さんや支援者自身のこころの健康もとても大切です。そのため、支援者自身のケアについても考える機会を持ち、皆さんが健やかに臨床心理学の学びを深めていくサポートができればと考えています。皆さんと共に学べる日を心待ちにしております。


【心理療法実践学】  竹森 元彦 教授【心理療法実践学】  竹森 元彦 教授
〈専門分野〉 臨床心理学、カウンセリング学、心理臨床実践学

☆大学院を志すかたへ

さらに、臨床心理学を大学院で学びたいと思われている皆さんは、臨床心理学を学ぶとはどのようなことだろうと、とても不安を感じているかもしれません。私も、皆さんと同じように、この道に入ることに大変に悩みました。いろいろな悩みをもった人を支援するとはどのようなことであろうか、自分に、そのような力があるのか? 心理的支援とは、まずは、傾聴することが基本となります。なぜなら、悩み方や困り感は一人一人異なりますので、その悩み方を聴き取ることから始まるからです。私たちは経験したことのないことなので、傾聴するしかありません。話を聴きながら、少しずつ、その方の絶望が見えてくる。そうしてはじめて、共感が生じてくる。“共感”は、はじめからあるのではなく、その悩みに寄り添う時に、後から生じてきます。“そうだ、そういうことだったのか”と。それに、悩みはなくなることはありません。ただ、悩みと共に生きることの“勇気”を持つことなのです。語ることを聴いてもらったことによって、その絶望から、少しの希望が生まれてきます。そのお手伝いをします。とても深く、優しく、悲しく、鮮烈な時間。生と死、過去と現在と未来、が交錯する時間。そのような時間を共に生きるのです。そのような時間を一緒に生きてみませんか?(拙著“心の生まれる場所”、“メランコリーチェア”などをご参照ください) もしかしたら、皆さんは話を聴くとはとても苦しいと思われているかもしれません。共に生きることは、私たちにも生きることを教えてくれる新鮮な経験であります。“ケア”は、与えるものではなく、たくさんのことを頂く過程でもあるのです。

修士論文があることも大学院の醍醐味です。研究者の卵として、地域のお困りの方のお話を聴き、それを共に解消する方法や概念を追及して、その方々が少しでも過ごしやすい社会に貢献します。例えば、社会的問題となっている不登校やひきこもり、虐待、その当事者や家族など、どのように理解し支援していけばよいのでしょうか。大学院では、実際のその方々の苦悩を見聞きしたことから考えます。一人一人が地域の中で課題をみつけて、自分の問題として考えていきます。クライエントから学び(教えてもらい)、地域社会に貢献する姿勢と力をもった心理臨床家の卵になるということなのです。


【心理実践指導学】  坂中  尚哉   准教授【心理実践指導学】  坂中 尚哉 准教授
〈専門分野〉 
臨床心理学・臨床スポーツ心理学

☆大学院を志すかたへ

こころの専門家に興味を持たれた皆さまへ。私たちの心理専門職への道程は、 極めてコツコツと歩む地味な営みです。
奥ゆかしく、謎めいたこころの世界に接近するために一緒に悩み、考えて行きたいと思っています。


【心理実践教育学】  谷渕  真也   准教授【心理実践教育学】  谷渕 真也 准教授
〈専門分野〉 
臨床心理学・コミュニティ心理学

☆大学院を志すかたへ

私の担当する心理実践教育学講座では,①行動論によるアセスメント、②コミュニティ・アプローチ、③文化的多様性を中心に据えて教育・訓練・研究を行います。
私が実務経験をもち大学院生を効果的に教育できると思われる臨床領域は、学生相談、中学・高校スクールカウンセリングです。

また、これまでの私自身や大学院のゼミ生の研究テーマの例は以下の通りです。
・ 滞日外国人児童生徒への心理的教育的支援
・ 外国人住民のソーシャルサポート・ネットワーク
・ 地域ボランティアの活動継続に関する心理的プロセス
・ 社会福祉法人の公益的取組における地域連携の成果と課題
・ 友人からの勧めが学生相談機関の利用に及ぼす影響

ここまでの中に興味を惹かれるキーワードを見つけた方はぜひ研究室の扉を叩いてみてください。


【心理実践職能学】  長谷  綾子   准教授
〈専門分野〉 
臨床心理学、医療臨床、多職種協働

☆大学院を志すかたへ

心身の困難や生きづらさを抱える方々の支援に携わる仕事は、決して心理職ひとりで成し得るものではありません。大学院では、演習や実習を通じて、仲間や現場のスタッフ、そしてクライエントとかかわり合うことにまつわる悩みや苦しみ、そして喜びといったかけがえのない体験を得ることになるでしょう。皆さんと一緒に学ぶことを楽しみにしています。


【心身医学】  神原 憲治 教授【心身医学】  神原 憲治 教授
〈専門分野〉  心身医学、心療内科学、応用精神生理学

☆大学院を志すかたへ

医学系研究科臨床心理学専攻の心身医学では、こころとからだの関係について、疾患から健常にまたがる人の実際の病態や心理的特性に即した、より深い教育と研究を行います。以下、具体的な教育・研究テーマの例です。

・心理社会的ストレスと人間の健康状態や身体症状は、どのようなプロセスで影響しあっているのか。
・心身症、ストレス関連疾患や、生活習慣病などの身体疾患はどんな病態を持ち、どんな心理的アプローチが期待されるか。
・自己の身体や感情への気づきは人間の健康や疾患においてどんな意義を持つのか。

心身医学や心療内科学に興味のある皆さんの、学びへの志をお待ちしています。


【精神医学】  角 徳文 教授
〈専門分野〉  精神医学

☆大学院を志すかたへ

既述の研究テーマ以外も含む、幅広い精神医学分野に関わる研究を行っていきます。実地臨床で生じた疑問を定式化し、論文を吟味しながら実証的根拠に基づく方法を用いて自らの問題解決をはかることが重要です。テーマとする研究内容がもたらす結果を常に留意しながら、臨床や社会実践へ還元できる研究プロセスを心がけ、自ら研究を立案し実行できる自立した研究者の育成を目指します。